ED(勃起不全)とは、十分勃起が起こらず満足のいく性行為ができない症状です。老若男女多くの成人男性を悩ませるED。
しかし現在は多くのEDの症状は改善が可能となっています。その方法として有効とされているのが生活習慣の改善とED治療薬の使用です。
このページではED(勃起不全)について詳しく解説しています。
EDとは
EDはErectile Dysfunctionの略で“勃起不全”と呼ばれる、性機能障害の一つです。
勃起が起こらない、中折れなど勃起が維持できないなどの理由で、満足のいく性行為が行えない状態です。
性行為ができるほどの勃起の硬さが無い場合や、勃起が起こらない状態が持続することや、一度改善してもまた再発してしまうこともEDに含まれます。
日本性機能学会によると、性交する時に75%でこの状態になるとEDと定義されるそうです。4回のうち3回性交に失敗するとEDとなる訳です。
その他、たまに勃起がしない場合や、勃起に対して不安があり性行為に躊躇するなどの場合も、性行為に対して満足が出来ていないことになるのでEDの症状と言えます。
成人男性(20~60代)の中程度から重度のEDで悩む方は、およそ4人に1人だと言われています。40代では5人に1人、50代では2.5人に1人、60代では1.7人に1人の割合です。
意外と近くにEDで悩んでいる方が大勢いることになるので、とても一般的で身近な症状とも言えます。
EDの状態
思春期を過ぎた男性は通常、性的な刺激を受けると勃起が起きます。勃起とは陰茎が硬くなって元の位置から立ち上がる生理現象です。男性の場合の性行為では射精が行われて終了しますが、射精が行われるためには硬く勃起した状態でなければいけません。
EDの状態は以下のものが当てはまります。
- 性的な興奮があっても勃起しない
- 勃起しても硬さが無く、挿入できない
- 途中で萎えて性行為が続けられない(中折れ)
- 性行為ができる時より、できないことの方が多い
- 勃起できないことがあるため、性行為に対して不安がある
勃起ができない、または途中で萎えて射精まで至らない状態では、陰茎にPDE-5(ホスホジエステラーゼ-5)という酵素が働いています。この酵素は陰茎が勃起した時に放出される、血管拡張作用のある物質サイリックGMP(環状グアノシン一リン酸)を分解します。
これにより、陰茎に集まる血液を保持することが出来なくなるため、勃起が起きないまたは途中で萎えてしまうようになります。
EDのタイプ
EDには器質性EDと心因性ED、混合性ED、薬剤性EDの4つのタイプがあります。
器質性ED
器質とは体の血管や臓器、神経、細胞組織の意味で、体の器官の不具合により、勃起が十分にできない状態です。
具体的には陰茎の血管や海綿体に損傷があり十分に血液が送られない、脊髄の損傷などによる神経伝達ができない場合などです。
加齢により動脈硬化や、脳溢血、脳出血などの後遺症でEDになるもの器質性EDです。
心因性ED
心因性のEDは、ストレスや疲れ、加齢などで神経伝達物質の働きが鈍くなり、性的な興奮をうまく陰茎に伝えられなく状態です。
他にもセックスに対する緊張やプレッシャー、失敗のトラウマなどでストレスが強くなり、EDが悪化する場合もあります。
子作りを考える夫婦が排卵のタイミングに合わせたセックスをする場合のプレッシャーや不安からEDになる「妊活ED」も心因性のEDです。
混合性ED
混合性のEDは器質性と心因性の2つの要素の原因があり、EDを悪化させる症状です。
40代後半から50代半ば以上の年代の男性によくみられる症状です。
高血圧や糖尿病など血管が拡張されない、男性ホルモン分泌の低下、体の機能が全体的に低下している、環境の変化や性に対する考え方の変化など、精神的な不安がある場合に現れます。
混合性の場合、中折れなどではなく、最初から完全に勃起しない状態になることが多いとされます。
薬剤性ED
薬剤性EDは、服用している薬の作用によりEDの症状が起きるものです。
抗うつ剤や鎮痛剤など中枢神経の働きを鈍くする作用のある薬は、性的刺激の伝達を妨げます。
筋弛緩薬や血管拡張作用のある、降圧剤や不整脈の治療薬も勃起の妨げになります。
EDになりやすい条件
EDになりやすい条件として以下のものがあります。
加齢
男性は年をとっても性欲はしっかりあると言われていますが、加齢により血管が硬くなり拡張しない、男性ホルモンが低下し神経伝達物質の働きが悪くなるなど、体や脳の機能が低下すると性欲に体が反応しにくくなります。
プレッシャーに弱い
男性は以外に精神的ダメージを引きずります。特に精神的に弱い方などは、セックスに一度失敗すると「また勃起しないかも…」マイナスイメージを引きずってしまいます。プレッシャーやストレスで脳が緊張した状態だと、勃起が起きにくくなります。
ストレス・疲れ
ストレスや疲れの状態が続くと、脳では神経伝達物質の働きが鈍くなります。それにより、性的刺激が陰茎に伝わりにくくなります。
ストレスや疲れは体をリラックスさせず、緊張状態になるので夜も脳が興奮して眠れなくなる不眠になりやすいものです。
勃起はリラックスしているから起きるものなので、不眠症という方もEDの症状が出やすいとされます。
服用している薬
服用する薬によってはEDになる場合があります。
うつ病や不安症などの精神疾患を治療している薬には性欲や興奮を抑える作用があり、勃起に至りません。
勃起の仕組み
勃起が起きる仕組みは、動物的な本能による単純そうな理由と思う方もいるかも知れませんが、意外と複雑なものとなっています。
勃起が起きる状況として、脳が性的な刺激をキャッチするところから始まります。
エッチな写真や映像を見たり、陰茎や乳首などの性感帯が刺激される、耳から卑猥な言葉を聞くなど性的な刺激を受けると、まずは脳がその情報をキャッチします。
すると脳の中枢神経から脊髄の神経を伝い、陰茎に興奮している情報が伝えられます。
陰茎には海綿体と呼ばれる毛細血管が大量に集まったスポンジ状の組織があります。その周りを強い筋膜である「白膜」が包んでいます。普段は陰茎にある血管は閉じられていて、必要最低限の血液が毛細血管に流れているので、何もなければ大きくなることはありません。
性的な興奮の情報が陰茎に伝わることで、NO(一炭化窒素)という物質が放出されます。
NOの放出は陰茎へ血液が流れ込む合図となり、血管が緩み大量の血液が陰茎に流れこみます。
この時cGMP(環状グアノシン一リン酸)という血管拡張作用のある物質が増えます。すると陰茎の海綿体にある血管が緩み、さらに多くの血液が流れこみます。
流れこんだら血液は循環しているので、出ていくのが筋ですが、この時陰茎は出ていく側の静脈を閉じてしまいます。血液が溜まっていきます。
海綿体は血液を含み大きくなりますが、白膜という強く厚みのある膜が陰茎を覆っているため、それ以上大きくなる陰茎を押さえ、内圧が高まり、陰茎が硬く隆起します。ビニール袋にパンパンに空気を詰めると、ビニールの表面に硬さが出て形が留まるのと同じ原理です。
これが勃起が起きる仕組みです。
まとめ
EDは現在改善する症状です。充実したナイトライフは男性の自信と心身にとても良い影響を与えるものです。性行為は最上のコミュニケーションとなり、パートナーとの関係を良好にしてくれます。
生活習慣の乱れなどが理由でEDになってしまう場合には、普段の生活を見直すことで改善や予防ができます。
その助けになるのがED治療薬です。ED治療薬はあくまでも完治させるものではなく、サポートするものと考え付き合っていくのがおすすめです。
ED改善の途中であっても性行為が出来るようになるので、ED治療薬はとても役立ちます。
病院や専門クリニックでED治療薬を処方され入手することができます。それ以外にも、海外医薬品を扱う通販サイトを利用すると、効果は同等で価格が抑えられたジェネリック薬を購入することができます。
処方薬は価格が高いと感じる方におススメです。